イノベーションは、「 多数決 」 からは生まれない。 -新しいアイディア創出を阻害する罠・処方箋-
私は「 アイデア着想会 ~知恵の輪~ 」の代表として、六本木アカデミーヒルズにて講義とワークショップ、ファシリテーションを開催・担当させて頂く事があります。
先日、開催したワークショップで、参加者の方から、下記のような質問を頂きました。
「 アイディアや検討の軸を、" 多数決 " で決める事は、正しい事なのでしょうか? 」
この頂いた質問に対して、下記のような考え方があります。
これは、これまでイノベーションが誕生した「背景」や「取り組み」に下記のような共通点があるからです。
- ほぼ全員から猛反対 (例:20人中、18~19名が反対)
- 強い「想い」と「情熱」(反対されても、主張し続ける、周囲を巻き込む)
- 結果を出すまでに絶対にあきらめない「信念」 (結果を出すまで行動し続ける)
なお、「 イノベーションは、多数決からは生まれない」は、1つの考え方であり、「多数決」そのものを否定する意図では用いておりません。
総意を求めた方がいい局面の場合は有効な手段といえます。スタンフォード流「デザイン思考」で知られている 一般社団法人デザイン思考研究所 が提供されているワークショップでも「付箋」や「シール」を活用した投票プロセスが紹介されています。
「デザイン思考」については、ワークショップに参加頂き、実際に体験頂く事を強くお勧めしますが、SlideShareでも入門編 と マスター・クラス の詳細スライドが公開されています。
正確には「 イノベーションは、必ずしも "多数決"から生み出されるものではなく、 "多数決"により、イノベーションの原石を見落としてしまう事がある 」といった所でしょうか。
新しいアイディア創出の為に、リーダーや経営者が取り組むべき事
みなさんの会社やチームでも、下記のような取り組みをする事をお勧めいたします。
- 少数派、第三者の意見を尊重する
⇒ ほぼ全員が反対するような内容にイノベーションの原石やヒントが含まれている事があります。原石を「ただの石」とみなすのか、磨いて「ダイヤ」にするのかは、その捉え方次第で大きな違いを生み出します。 - 発言がほとんどない/少ない人 や 声の小さい人の声をしっかりと聴きだす
⇒ 権力や主張の強い人の意見に左右されないファシリテーションやメンバー構成も重要です。 - 新しい挑戦を積極的に推進・評価する環境整備
⇒ 失敗率が高い「新しい挑戦」の行動や失敗を酷評した瞬間、新規アイディアは何も生み出されなくなり、負のスパイラルへ突入してしまいます。
あなたは、ダイヤの原石に気づけますか?
平塚 博章 の 「やりきる力」 × 「生み出す力」 - 仕事や人生が、ちょっと楽しく・クリエイティブになるかもしれないヒント